プロ用機器は音が悪い?良い音って何だ!?
私は青梅市の工務店で働きながら、趣味でレコーディングエンジニアをしています。音響機器の専門家の立場からアマチュアの方が陥りやすい誤解について説明したいと思います。
ここでは、ヘッドフォンの話をしてみましょう。
スタジオ機器は「音楽を作るため」のものですが、家庭用機器は「音楽を鑑賞するため」のもので目的が異なります。プロは良い音を作ることが仕事なので、悪い音は悪い音としてしっかりと聞くことができるスピーカーやヘッドフォンを使います。なぜなら、悪い音を加工して良い音を作るのがプロの仕事ですから。しかし、家庭用の音楽鑑賞を目的とした機器は、「よりカッコ良い音に聞かせる」という目的で作られています。
ですから、悪い音でも「それなりの音」に聞えてしまうのです。具体的に言うと、低音がドンドン響いて迫力があり、高音がシャリシャリ効いた派手な音。専門用語では「ドンシャリ」と言います。このようなドンシャリな音が一般的に良い音と呼ばれる音であり、我々からみると「脚色された音」良くない音なのです。
「SONY MDR-CD900ST」は皆さんが言う良い音が出るから使われているわけではありません。脚色されてない音がモニターできるので、標準モニターとして採用されているのです。ですから、音楽鑑賞と言う目的で聴き比べると、結構スカスカな音なのでガッカリすると思いますよ。私自身、音楽鑑賞には、テクニクスのARTモニターを使っています(笑)。